7、8年前から見積り担当として電卓をたたいています。
よくお客さんから言われるのは、
「昔と違って高くなった。」
「昔より安くなった。」
意味が分かりませんね(笑)
昔の単価を見直しながら計算することもありますが…
おそらく、指値をそのまま見積り単価にしているパターン、昔から存在している相場を
優先している、刃物・機械の性能・新しい加工方法の採用によって原価変更、
そもそもの原価高騰のどれかだとは思います。
この業界の見積りでよく耳にするのがマシンチャージ。
同業者やお客さんと話していてもしきりに耳にする
「あんたの所チャージいくら?」
聞かれるとおおよその金額は答えられるように準備はしていますが基準が違います。
うちではアクティビティ・ベースド・コスティング(ABC)を採用しています。
難しいですが日本語にすると、活動基準原価計算になります。
元のチャージを使った計算だと細かい計算がなされていない事によって実は割に合わない
仕事ばかり残って利益を生む仕事は何回かこなすうちに他所へ…なんてことになります。
このABCを使えばこの案件は人間が何時間動いて必要な物はいくら掛かって…
なんて事も。
全て計算に入れるので理論上は仕事をこなしただけ売上や利益が出るわけです。
よって相場や指値があっても合わないものは合いません。
逆に相場が元々高いもの、加工方法が進化したものなどはお客さんから安いねと
言って頂ける事も多々あります。
これも業界の悪習のひとつになるかもしれませんが、必要以上の利益を取ると作業者の
進歩がなくなり、下請け・孫請けを泣かせる事になりかねません。
適正価格で儲けたい会社は安く作る方法を研究すれば良いと思いますし、
そうしなければ海外の安い生産コストに負けた事に対して言い訳を続けなければ
ならなくなります。
どうしようもない価格差と言うものもありますが、差を縮める努力は
怠ってはいけないと思います。